サックス講師の鈴木です。
サックスを演奏をきいていると、ジャンルによって音色が全く違うことに驚くことがあるとおもいます。
特に「吹奏楽のような綺麗な音」と「ポップスのような明るい音」の違いは、これから上達を目指す方にとって大きな関心事ではないでしょうか。
今回は、その音色の違いを生み出す「アンブシュア(楽器を吹く時の口の形)」と「アーティキュレーション(舌の使い方や音の表情)」について、大きくクラシック系とジャズ系に分けて違いを解説していきます。
1. ジャンルに合わせたアンブシュアの選択
サックスの演奏では、演奏する曲のジャンルによってアンブシュアが異なります。大きく分けると「クラシック向け」「ジャズ向け」に分類されます。
- クラシック向け: 主に吹奏楽などの音楽で用いられます。
- ジャズ向け: ジャズだけでなく、J-POP、ロック、R&B、ファンク、さらには歌謡曲や演歌などまで、多くの場合このジャズ向けのアンブシュアで演奏されます。
💭 ワンポイントアドバイス アンブシュアは音の土台です。自分が「どんな音を出したいか」によって、適した形を意識してみましょう。
2. クラシック:整った音色を作る「支え」
クラシック向けのアンブシュアは、一言で言えば「リードの振動を適切に抑える」吹き方です。
下顎でリードをきちっと支えてあげることで、余分な振動を抑え込みます。こうすることで、角の取れた「丸くて整った音色」を出すことができるようになります。
3. ジャズ:豊かな倍音を生む「解放」
対してジャズ向けのアンブシュアは、「リードを最大限に振動させる」ことを目的としています。
極力、唇の力だけでリードを支え、顎は必要最低限に添え、音程をコントロールする程度にとどめます。
リードが自由に振動することで、倍音を多く含んだ「明るく豊かな音色」が生まれやすくなるのです。
💭 ワンポイントアドバイス クラシックとジャズは全く別物というよりは、振動を「抑える」か「解放するか」という地続きのグラデーションのような関係です。
4. アーティキュレーションによる表情の違い
音色だけでなく、音に表情をつける「アーティキュレーション(タンギングなど)」も両者で大きく異なります。
- 重心: クラシックは拍の頭に丁寧なタンギングをつける。ジャズ・ポップスは裏拍(アップビート)に重心を置く。
- 音の終わり: クラシックは何も書いてなくても余韻を残す。ジャズ・ポップスは余韻を残さず「バスッ」と切ることもある。
特にジャズでは、8分音符が並んだ際に裏拍を強調する独特のニュアンスが重要になります。
5. 理想の音色に近づくための練習法
もし、あなたが「特定のジャンルの音を出したい」のであれば、そのジャンルを専門とする先生に指導を受けるのが一番の近道です。
私自身の経験からも、クラシックの基礎を学んだ後にジャズ特有のアーティキュレーションを習得するのは、非常に苦労した記憶があります。
まずはどちらかのスタイルに集中して取り組むことをおすすめします。
まとめ
今回のポイントを振り返ってみましょう。
下顎でリードを支え、丸く整った音色を目指す。
唇の力で支え、リードを響かせて明るい音色を作る。
クラシックは「余韻」、ジャズは「裏拍の重心と切れ」が特徴。
サックスは、吹き方ひとつで千変万化の表情を見せてくれる素晴らしい楽器です。
焦らず、一歩ずつ自分の理想とする音を探して行ってくださいね!


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