こんにちは、サックス奏者の鈴木です。
サックスを始めたばかりの方によく聞かれる質問の一つに「様々なマウスピースはなにが違うのか」があります。
楽器店に行くと驚くほど多くの種類が並んでおり、「何が違うのか」「どれを選べばいいのか」と迷ってしまう方も多いはずです。
マウスピースは、口元に最も近いパーツであるため、交換することで音色(ねいろ)のキャラクターが劇的に変化します。
今回は、皆さんが自分にぴったりの一本を見つけるためのヒントをお話ししましょう。
1. 素材による音色の違いを知りましょう
マウスピースは大きく分けて「ラバー製(ハードラバーや樹脂)」と「金属製(メタル)」の2種類があります。
- ラバー製: 比較的コントロールがしやすく、まろやかな音色になるものが多いのが特徴です。
- メタル製: 倍音が豊かに含まれるため、派手で輪郭のはっきりした音色になりやすい傾向があります。
まずは、ご自身が演奏したいジャンルや「出したい音のイメージ」に合わせて素材を選ぶことから始めてみましょう。
💭 ワンポイントアドバイス マウスピースを変えるだけで、音のキャラクターは大きく変わります。自分の出したい音の方向性を決めておくことが、理想の一本への近道です。
2. クラシック・吹奏楽の王道
クラシックや吹奏楽を演奏される方、あるいは初心者の方の最初の一本として非常におすすめなのが、ラバー製のマウスピースです。
- セルマー S90 180: 非常にまろやかな音色が特徴で、クラシックや吹奏楽の世界では定番中の定番と言われています。 吹き心地も安定しているため、初心者の方からプロにまで広く愛用される一本です。
3. ジャズ・ポップス向けのおすすめモデル
より明るい音色や、ジャズらしいニュアンスを求める場合は、以下のような選択肢があります。
- メイヤー 5MM: ジャズやポップスを始めたい方の最初の選択肢として、特におすすめです。 明るい音色が出しやすいだけでなく、まろやかな響きも兼ね備えており、何より「吹きやすさ」という点で非常に優れています。
- クラウド・レイキー: ラバー製の中でもかなり明るい音色が出る部類に入ります。さらにエッジの効いた音が欲しい方に適しています。
💭 ワンポイントアドバイス 初めてジャズに挑戦するなら、まずはコントロールしやすいメイヤーのような定番モデルから試してみるのが安心ですよ。
4. メタルマウスピースの構造と選び方
メタルマウスピースを選ぶ際は、内部の「バッフル」という部分の形状に注目しましょう。 ここの角度が急な「ハイバッフル」タイプは、より派手でパワフルな音になります。
- Yanagisawa メタル: 滑らかな形状のローバッフルで、メタル特有の派手さがありつつも、まろやかさを失わないバランスの良さが魅力です。 7番程度のオープニング(マウスピースの開き)をコントロールできるアンブシュア(口の形や筋肉の状態)が備わってくると、非常に心地よく演奏できます。
- Gottsu(ゴッツ)Studio Metal: 日本メーカーの製品で、非常に吹きやすく初心者からプロまでおすすめできる一本です。 ハイバッフルタイプの「HL」モデルなども展開されており、精度が高く信頼できるブランドです。
- ボビー・デュコフ: メタルマウスピースの定番として知られるハイバッフルモデルです。エッジの効いた音色が特徴で世界中で愛される一本です。
5. ネット購入ではなく「楽器店での試奏」を
最近はオークションやフリマサイトでも手軽に購入できますが、マウスピースに関してはあまりおすすめできません。
マウスピースは、ご自身のアンブシュアやリードとの相性が非常に重要なパーツです。
以下のポイントを意識して、ぜひ楽器店に足を運んでみてください。
- 複数の番手を試す: 同じモデルでも、オープニングのサイズ(番手)が少し違うだけで、吹き心地は全く別物になります。
- 個体差を確認する: 同じモデル・同じ番手でも、製造上の個体差があります。可能であれば、同じものを複数本吹き比べさせてもらいましょう。
- 迷ったら「定番」を: 初めてで判断が難しい場合は、先生や詳しい方に相談した上で、定番モデルの標準的な番手を選ぶのが失敗を防ぐコツです。
💭 ワンポイントアドバイス 「自分には合わない」と思い込んでいたマウスピースでも、番手を変えるだけで劇的に吹きやすくなることがあります。細かく試奏することが大切です。
まとめ
ラバーはまろやかで操作性が良く、メタルは派手で力強い。
クラシックならセルマー S90 180、ジャズならメイヤー 5MMが最初の定番。
メタルならYanagisawaやGottsuが扱いやすくおすすめ。
自分のアンブシュアとの相性を知るために、必ず店頭で試奏して選ぶ。
マウスピース選びは、音の「キャラクター」を決める大切な作業です。最初から完璧な一本を見つけるのは難しいかもしれませんが、今回ご紹介した定番モデルを一つの基準に、少しずつ自分の好みを広げていってください。
皆さんが納得のいく一本に出会い、サックスを吹くのがもっと楽しくなることを応援しています。
ご質問などあれば、いつでもお気軽にコメントをお寄せくださいね。


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