はじめに:後悔しないサックス選びのために
こんにちは、サックス奏者の鈴木です。
「サックスを始めてみたい!」という一歩を踏み出した時、最初に直面する大きな壁が楽器選びです。初心者の方にとっては、どの楽器が良くて何が良くないのか、全く見当がつかないですよね。
私は講師として長年活動する中で、生徒さんの楽器購入に何度も立ち会ってきました。
その経験から確信しているのは、
「最初に手にする楽器の質が、その後の上達スピードや楽しさを大きく左右する」
ということです。今回は、私が培ってきた楽器選びのノウハウお伝えします。
1. 新品・中古それぞれのメリット
楽器選びの第一歩は、新品を買うか中古を買うかを決めることです。
- 新品のメリット: 前のオーナーがいないため、楽器の状態が非常に安定しています。また、通常1年程度のメーカー保証がつくため、万が一の不具合の際も安心です。
- 中古のメリットと私の推奨: 私個人としては、「信頼できる楽器店で中古楽器を買うこと」をおすすめしています。中古であれば、新品の約7割程度の価格で入手できることが多いためです。
例えば、新品の入門モデルを買うのと同じ予算があれば、中古ならワンランク上の中級者モデルに手が届きます。これは、長く続ける上では非常に大きなアドバンテージになります。
💭 ワンポイントアドバイス 楽器には「個体差」がありますが、新品ならそのリスクを最小限に抑えられます。一方で、予算内でより高品質な音を求めるなら、整備の行き届いた中古は一つの良い選択です。
2. 世界が認める「サックス3大メーカー」
サックス界には「御三家」と呼ばれる、世界的に信頼されている3つのメーカーがあります。
- セルマー(H.Selmer): フランスのメーカーで、世界中のプロ奏者が愛用しています。私自身も愛用していますが、非常に質が高く、まさに「一生モノ」です。ただし、価格がかなり高価なため、最初から手にするにはハードルが高い面もあります。
- ヤナギサワ(Yanagisawa): 日本のサックス専門メーカーで、非常に安定した品質を保っています。
- ヤマハ(YAMAHA): 世界に誇る日本のメーカーで、初心者からプロまで幅広いラインナップがあります。品質のバラつきが少なく、特に初心者の方には自信を持っておすすめできるメーカーです。
3. ヤマハの型番から見る「おすすめモデル」の選び方
特にヤマハを検討される場合、型番の意味を知っておくと選びやすくなります。
- 280・380シリーズ: 初心者・入門者向け
- 480シリーズ: 中級者向け
- 62・82シリーズ: プロユースにも耐えうるハイエンドモデル。
私のおすすめは、中級者モデルの「480シリーズ」です。
サックスは作りがしっかりしているため、定期的な調整(メンテナンス)さえ続ければ、20年、30年と吹き続けることができます。
480クラスの楽器は、初心者の方でも音が出しやすく、かつ上達してからも長く愛用できる「一生モノ」の楽器になり得ます。
💭 ワンポイントアドバイス 「まだ初心者だから安いものでいい」と思いがちですが、実は質の良い楽器ほど、初心者の方を助けてくれます。特に480シリーズは、指の動かしやすさや音の安定感、音程の安定性が格段に違います。
4. その他のメーカーと選択肢
3大メーカー以外にも、私個人がお勧めしているメーカーをご紹介します。
- カドソン(Cadeson): 台湾製のメーカーですが、特に群馬県前橋市の中島楽器さんが代理店として輸入し、検品と再調整を行っていた「JAPAN」の刻印があるモデルは非常におすすめです。品質が非常に高く、プロにも多く支持されていますが、中古市場では価格が下がりやすく非常に狙い目です。
- マルカート(Marcato): 下倉楽器さんのプライベートブランドです。10万円を少し超える程度の価格帯ながら品質が良く、下倉楽器さんのアフターフォローが受けられるため、予算を抑えて購入したいビギナーの方も安心して購入できます。
5. 注意!格安楽器とフリマサイトに潜むリスク
インターネット上では数万円で買える格安サックスを見かけますが、これには注意が必要です。
- 格安楽器(Amazon等での数万円のモデル)の問題点: これらの楽器は金属の加工精度が甘く、メカニカル(機械的)な作りが雑なことが少なくありません。例えば、ネックが太すぎて合うマウスピースが極端に少なかったり、一度壊れると修理・調整が不可能な作りだったりすることがあります。
- フリマサイト(メルカリ・ヤフオク等)のリスク: 個人間取引では楽器の正確な状態が分からず、購入後に調整や、場合によっては「オーバーホール(全解体修理)」が必要になるケースがあります。簡単な調整であれば5000~1,2万円程度ですが、オーバーホールには10万円以上かかることもあるため、安く買ったつもりが結局高くついてしまうことにもになりかねません。
💭 ワンポイントアドバイス 楽器はたとえ安く買えても、正常に音が出なければ上達できません。最低限、専門の技術者が点検・調整した楽器を選ぶ、またアフターフォローできる場所を確保することが、上達への近道です。
6. 「どこで買うか」がその後の演奏生活を決める
最後に一番のおすすめは、「修理工房が併設されている楽器店」で購入することです。
サックスは非常にデリケートな楽器で、定期的な調整が欠かせません。購入したお店に調整の技術者がいれば、ちょっとした違和感もすぐに解消してもらえます。
もし中古楽器をインターネットで探す場合でも、保証期間があり、アフターフォローがしっかりしている大手楽器店を選ぶようにしましょう。
まとめ
今回のポイントを整理します。
- 品質重視なら新品、コスパ重視なら「楽器店の中古」を選ぶ
- 初心者に最もおすすめなのは「ヤマハ」の480シリーズ
- カドソンやマルカートも、信頼できるお店を通せば良い選択肢になる
- 数万円の格安楽器や、保証のない個人間取引は避ける
- 「買った後のアフターフォロー」を重視してお店を選ぶ
楽器選びは、サックスを始める方にとって重要な第一歩です。
もし自分で判断するのが難しい場合は、サックスの先生や経験豊富な方に、商品ページを見てもらったり、試奏を依頼したりするのも一つの手です。
当スクールでも、楽器選びの相談からメンテナンス、上達のためのレッスンまで、親身にお手伝いしています。
不安なことがあれば、ぜひ体験レッスンなどで気軽にお声がけくださいね。あなたのサックスライフが、素晴らしいものになることを心から応援しています!
「自分にぴったりの楽器はどれ?」と思ったら、お気軽に個別相談へお越しください。


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