五線からはみ出す音:加線
この回でわかること
- 五線に収まらない音をどう書き表すか
- 加線がついた音符の数え方
- 「中央のド」を目印にして読む方法
1. 五線の範囲では足りない
前回、五線には音符を置ける場所が9か所あることを確認しました。一番下の線のミから、一番上の線のファまでです。
ところが、サックスの音域はこの範囲に収まりません。実際の楽譜では、五線より低い音も高い音も日常的に出てきます。そこで使われるのが加線(かせん)です。
2. 加線は、五線を継ぎ足す短い線
加線は、五線の上下に引く短い線です。長い線を何本も引くと楽譜が見づらくなるため、必要な音符の幅だけ引きます。
大事なのは、加線も五線の1本と同じように扱うという点です。線・間・線・間と交互に並ぶ規則は、五線の外でもそのまま続きます。数え方も変わりません。
3. 五線より低い音
一番下の線のミから、1つずつ下がってみます。
ミ・レ・ド・シ・ラ。下がるほど加線が増えていきます
ミの1つ下のレは、五線のすぐ下の空間に書きます。まだ加線は要りません。その次のドで初めて加線が1本引かれます。さらに下がると、シは1本目の加線の下、ラで2本目の加線が引かれる、という具合に増えていきます。
図をたどるとわかるとおり、加線が1本増えるのは、線の音に進んだときだけです。間の音に進んでも本数は変わらず、その音符は加線と加線のあいだ、または五線と1本目の加線のあいだに収まります。
サックスの楽譜では、下側に必要な加線はここまでです。楽器の最低音がこの範囲に収まるため、これより下の音が出てくることはありません。
4. 五線より高い音
上側も考え方は同じです。一番上の線のファの1つ上、五線のすぐ上にあるソから順に上がっていきます。
ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ。上がるほど加線が増えていきます
ソにはまだ加線が要らず、次のラで1本目が引かれます。そこから先は、線の音に進むたびに1本ずつ増えていきます。下側と鏡のような関係です。
高い音域では加線の数がかなり増えます。上の図では3本までを示していますが、サックスの楽譜では加線が4本になる高さまで書かれることがあります。ここまで重なると1本ずつ数えるのは大変なので、次の章の目印が効いてきます。
5. 目印を1つ決めておく
加線が2本、3本と増えると、そのつど五線から数えるのは現実的ではありません。読むのが速い人は、加線の位置そのものを目印として覚えています。
最初に覚えておくと効果が大きいのが、五線の下に加線を1本引いた位置の「ド」です。ピアノの鍵盤のほぼ中央にあたる音で、中央のドと呼ばれます。
五線の下、1本目の加線の上に乗っているのが中央のド
この位置を覚えておけば、その周辺の音は中央のドから1つ2つ数えるだけで読めます。五線の一番下から数え直す必要がなくなります。
上側であれば、1本目の加線が「ラ」です。この2つを押さえておくと、加線のついた音の大半はすぐに見当がつくようになります。
6. 確認クイズ
それぞれ、書かれている音符が何の音かを答えてください。
Q1. この音は何?
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レです。一番下の線のミから1つ下がった位置で、加線はまだ必要ありません。
Q2. この音は何?
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シです。1本目の加線に乗っているのが中央のド。その1つ下なのでシになります。
Q3. この音は何?
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ドです。上の1本目の加線がラ、その上の間がシ、2本目の加線がドと数えられます。
今日のまとめ
- 五線に収まらない音は、加線という短い線を継ぎ足して書く
- 線と間が交互に並ぶ規則は、五線の外でも変わらない
- 加線が1本増えるのは、線の音に進んだときだけ
- 下の1本目の加線が「中央のド」、上の1本目の加線が「ラ」
ここまでの3回で、音符が「どの音か」を読み取れるようになりました。次回からは、音符が「どのくらいの長さか」を扱います。同じ位置に書かれていても、音符の形によって伸ばす長さが変わります。

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