こんにちは、サックス奏者の鈴木です。
練習ではあんなに上手く吹けていたのに、いざ本番で人前に立つと緊張してしまい、指が思うように動かなくなってしまう……。
そんな悩みをお持ちではありませんか?
私はサックスの講師として約18年、指導を続けてまいりました。
それと並行して、様々な歌手の方のバックバンドや、私自身の演奏活動を通じて、数百人、数千人というお客様の前で演奏する経験を重ねてきました。
実は私も、もともとは非常に「あがり症」で、緊張に悩まされるタイプでした。
しかし、本番でメンタルをコントロールするために、「練習の習慣」を取り入れたことで、現在では緊張で指が動かないということがほとんどなくなりました。
今回は、私が実体験から学んだ「本番で緊張せずに実力を出し切るためのポイント」を3つに絞ってお伝えします。皆さんの演奏活動の参考になれば幸いです。
1. 楽器の構え方(フォーム)を常に一定に保つ
本番で体がこわばってしまう大きな原因の一つは、練習の時と本番の時で「体の感覚」が異なってしまうことにあります。
例えば、練習の時に椅子の背もたれに寄りかかって吹いたり、背中を丸めたりした姿勢で練習したりしていませんか?
練習と異なる環境で本番を迎えると、体が違和感を覚え、それが緊張や硬直に繋がってしまいます。
- ストラップのかけ方や姿勢を毎回確認する
- 首と両手の親指で、楽器のバランスをしっかり支える
これらを意識して、練習中も「本番と全く同じフォーム」で吹く時間を必ず設けるようにしましょう。
💭 ワンポイントアドバイス 1日の練習時間のすべてを本番の姿勢で通す必要はありません。ただし、「この15分間は本番と全く同じ姿勢で吹く」といった、本番を想定した時間を必ず作るようにしてください。
2. アンブシュアや力加減を「言語化」して覚える
サックス演奏において最も重要な「アンブシュア(マウスピースをくわえる時の口の形や状態)」は、自分では見えにくく、感覚が失われやすいポイントです。
緊張すると、このアンブシュアの力加減が無意識に変わってしまい、音色や指回りに影響が出ます。
これを防ぐには、自分の感覚を「言葉」にして整理しておくことが有効です。
- くわえる深さ: 鏡を見て「マウスピースの先端から〇cmくらい」と数値化する
- 力の入れ具合: 「普段より少し優しめ」「少し強め」など、自分なりの言葉で表現する
自分の状態を言葉で定義しておくことで、本番で緊張しても「いつもの状態」を再現しやすくなります。
💭 ワンポイントアドバイス アンブシュアは非常にデリケートです。日々の練習の中で「今日の調子が良い時の感覚」をメモしておく習慣をつけると、本番前の心強いお守りになりますよ。
3. 「予備練習なし」の1発目で演奏する
本番に向けて曲の練習をする際、苦手な箇所を少しさらってから、おもむろに吹き始めてはいませんか? しかし、本番のステージには「やり直し」も「事前の指慣らし」もありません。
特に本番が近くなってきたら、以下の練習を取り入れてみてください。
- 楽器を持って、いきなり曲の冒頭から吹き始める
- 伴奏を流し、その1回を「本番」だと思って吹き切る
この「いきなり吹き始める」練習で間違えてしまうポイントこそが、本番でもミスをしやすい箇所です。
第1回目の演奏を本番と同じ緊張感で行うことで、本番特有の空気に飲み込まれにくくなります。
💭 ワンポイントアドバイス 1回目でミスをしても、途中で止めずに最後まで吹き切る練習をしてください。この「リカバリー力」を鍛えることが、自信に繋がります。
4. 正しい腹式呼吸で体を安定させる
緊張をほぐすために「深呼吸」をするのは良い方法ですが、サックス奏者であれば、普段からそれをさらに一歩進めた「腹式呼吸(ふくしきこきゅう)」を意識しましょう。
緊張するとつい呼吸が浅くなり、つい力んでしまいますが、正しい腹式呼吸がしっかりできていれば、余計な力が抜け、緊張した状態でも体が安定します。
息の支えがしっかりすることで、指の動きもしなやかさを取り戻します。
まとめ:本番で自分を助ける練習を
最後に、今回お伝えしたポイントを振り返りましょう。
練習中から本番と同じ構え・支えを徹底する
アンブシュアや力加減を言葉にして記憶する
ウォーミングアップなしで曲を吹く習慣をつける
正しい呼吸法で心身の安定を図る
緊張することは決して悪いことではありません。
それはあなたが、その本番を大切に思っている証拠です。
日々の練習の中に「本番の感覚」を少しずつ混ぜていくことで、ステージはもっと楽しい場所に変わるはずです。
本番を楽しむための参考になれば幸いです。


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