こんにちは、サックス奏者の鈴木です。
サックスを始めようとする際、新品にするか中古にするか、多くの方が悩まれるポイントではないでしょうか。
特に初心者の方にとっては、中古楽器の寿命や状態を見極めるのは非常に難しいことだと思います。
今回は、よくご質問いただく「サックスは中古でも問題ないのか?」という点について、指導者の視点からメリットや注意点を詳しくお話しします。
1. 結論:きちんと調整された楽器なら中古でも問題ありません
サックス選びにおいて、中古という選択肢は決して悪いものではありません。
結論から申し上げますと、「信頼できるメーカーの楽器」であり、かつ「適切に調整」されていれば、中古でも十分に長く使っていくことができます。
サックスという楽器は、正しくメンテナンスを行えば非常に寿命が長いのが特徴です。
私自身、30年近く愛用している楽器がありますし、市場には100年以上前の「ヴィンテージ」と呼ばれる楽器も現役で流通しています。
💭 ワンポイントアドバイス サックスには、音孔(トーンホール)を塞ぐための「タンポ(パッド)」というパーツがあります。
中古楽器を選ぶ際は、このタンポの状態が演奏性に直結することを覚えておきましょう。
2. 中古楽器を選ぶ 大きなメリット
中古楽器を選ぶ一番の魅力は、やはり価格を抑えられる点にあります。
しかし、単に「安い」ということ以上に大きなメリットがあります。
- ワンランク上のモデルが手に入る: 新品でエントリークラス(初心者向け)の楽器を購入する予算があれば、中古であればミドルクラス(中級向け)以上の楽器を手に取ることが可能です。
- 一生モノの楽器に出会える可能性: 予算内でミドルクラス以上の良質な楽器を選べれば、買い替えをせずに長く使い続けることができるため、結果としてコストパフォーマンスが非常に高くなります。
3. 購入先選びが重要:オークションやフリマサイトは避けましょう
現在では楽器店だけでなく、色々な場所で中古楽器を購入できますが、いくつかの注意点があります。
特に個人間取引であるオークションやフリマサイトでの購入は、基本的におすすめしません。
- 保証が付いていないことが多い。
- 現品を確認できず、写真だけでは細かな状態(キズや歪み、タンポの劣化など)を把握するのが困難である。
中古楽器は、必ず「保証が付いている楽器店」で購入するようにしましょう。
💭 ワンポイントアドバイス 保証期間は「最低でも3ヶ月」あるものを選びましょう。店舗によっては1年間の保証を付けてくれる場合もあります。保証期間が極端に短いものは、初期不良のチェック中に期間が終わってしまうリスクがあります。
4. 「現状渡し」ではなく「調整済み」の楽器を選びましょう
店舗で販売されている中古楽器には、大きく分けて2つの状態があります。
- 調整済みやオーバーホール済み: 専門の技術者がすべてのタンポを交換(全タンポ交換)したり、全体を細かく調整し直したりした状態です。安心して演奏を始めることができます。
- 現状渡し: 買い取った状態のまま販売されているものです。一見安く見えますが、購入後に別途数万円単位の調整費やオーバーホール費用が必要になるケースがあるため、初心者の方には不向きです。
サックスは非常に精密な楽器ですので、技術者による再調整が施された個体を選ぶことが失敗しないコツです。
5. 前のオーナーの「吹き癖」を確認する
中古楽器特有の現象として、前の持ち主の吹き方による「楽器の癖」が残っている場合があります。
特定の音が出やすかったり、逆に特定の音程が合いにくかったりすることが稀にあります。
これらは吹き込んでいくうちに馴染んでいくことも多いですが、可能であれば経験者の方に同行してもらい、「試奏(しそう)」をしてから購入するのがベストです。
6. 「狙い目」の中古モデル
中古市場で特におすすめしたいモデルをいくつかご紹介します。
| メーカー | モデル名 | 特徴・おすすめの理由 |
|---|---|---|
| ヤマハ | YAS-62 | プロも愛用する定番モデル。非常に作りがしっかりしており、中古なら20万円台から見つかることもあります。一生モノとして使える名器です。 |
| カドソン | (中島楽器輸入分) | 台湾メーカーですが、日本で丁寧に再調整された個体は非常に高品質です。プロにも愛用者が多いカドソンですが、中古相場では10万円台から見つかることもあり、狙い目です。 |
| セルマー | シリーズII / III | 憧れのハイエンドモデル。新品は高価ですが、中古であれば30万円台で見つかることもあり、一生の相棒になります。 |
まとめ
- きちんと調整された楽器なら中古でも全く問題ありません。
- 同じ予算でワンランク上の楽器を狙えるのが中古の魅力です。
- オークションは避け、保証(3ヶ月以上)のある楽器店で購入しましょう。
- 「調整済み」の楽器を選ぶことが何より大切です。
楽器の値段は年々高騰しています。
ご自身にぴったりの「中古楽器」を見つけることは、ポイントさえ押さえればメリットの大きな選択肢の一つと言えるでしょう。
是非素敵な一本を探してみてくださいね!


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