こんにちは、サックス奏者の鈴木です。
サックスを始め、ある程度曲が吹けるようになってくると、多くの方が直面する疑問があります。それは、「基礎練習は本当に必要なのか?」という点です。
基礎練習は自分自身で効果を実感しにくく、単調な練習も多いため、「本当に意味があるのかな?」と感じてしまうこともあるでしょう。
今回は、18年間のレッスンを通して、生徒さんの上達を間近でみてきた私の視点から、基礎練習の必要性と、時間が限られている時におすすめしたい練習法についてお話しします。
1. 基礎練習は必要??
結論からお伝えすると、「完成度高く、たくさんの曲を演奏したい」のであれば、基礎練習は必須です。
もし、特定の1曲だけを吹けるようになりたいのであれば、その曲だけを徹底的に練習すれば、ある程度の形にはなります。
しかし、サックスという楽器をより自由に、美しく響かせるためには、曲の練習だけでは補いきれない要素がたくさんあります。
基礎練習を行うことで、一つひとつの技術が磨かれ、結果としてあらゆる曲の演奏レベルが底上げされるのです。
💭 ワンポイントアドバイス 基礎練習は、いわばスポーツにおける「筋トレ」や「走り込み」のようなものです。地味に見えますが、これがしっかりしていると、難しいフレーズに出会った時でもスムーズに対応できるようになりますよ。
2. 演奏の「完成度」を左右する4つの要素
演奏の質を高めるためには、以下の4つの要素を個別に磨く必要があります。これらは基礎練習を通じて効率的に習得できます。
- 音の安定感(ロングトーン): 長くまっすぐ音を伸ばす技術です。これが安定すると、聴き手に安心感を与える音色になります。
- 強弱のコントロール(ダイナミクス): 音を大きくしたり、徐々に小さくしたり余韻を付けたりする技術です。演奏に表情が生まれます。
- 滑舌のような表現(タンギング): スタッカートで跳ねるように吹いたり、レガートで滑らかに繋げたりする「音の切り方・繋げ方」の練習です。
- 効率的な指の動き(フィンガリング): 無駄のない指の動かし方を練習することで、速いパッセージや繋がりずらい動かし方のフレーズも、綺麗に吹けるようになります。
基礎練習でこれらの要素をフォローしておくことで、初めて挑戦する曲でもスムーズに、かつ情感豊かに演奏できるようになります。
3. 基礎練習ひとつだけ選ぶなら
「毎日の練習時間がなかなか確保できない」という方も多いはずです。
1日15分くらいしか時間が取れない場合に、私が最もおすすめするのが「音階(スケール)練習」です。
なぜスケール練習がおすすめかというと、そこにはサックス演奏に必要な要素がたくさん詰まっているからです。
- ロングトーンの要素: 1オクターブ以上の音をひと息でまっすぐ保ちながら演奏します。
- 息のコントロール: 音域によって変わる適切な息のスピードを学べます。
- 指のトレーニング: その調特有の指使いを効率的に覚えられます。
- タンギングの練習: 表拍だけ突くなど、バリエーションを加えることでアーティキュレーションの練習にもなります。
💭 ワンポイントアドバイス 12個の長調(メジャー)と12個の短調(マイナー)、合わせて24個のスケールを毎日少しずつ取り組んでみましょう。一度に全部やろうとせず、まずはこの「調」と決めて集中して行うのがコツです。
4.未来の演奏への投資
サックスの練習は、できれば毎日少しずつでも続けてほしいものです。
お休みの日にまとめて練習するのも良いですが、短時間でも楽器に触れる習慣が、指や口の感覚を維持してくれます。
基礎練習の効果はすぐには現れないかもしれません。
しかし、たくさんの曲を吹いていく中で、「あ、以前より指が動くようになっている」「音が安定してきた」と実感できる瞬間が必ずやってきます。
まとめ:今回のポイント
曲の練習だけでは補えない技術の土台を作ります。
音の伸び、強弱、アーティキュレーション、指の動きを個別に磨きましょう。
時間がなければスケールだけでも行うのが効果的です。
少しずつ、毎日の習慣に取り入れていきましょう。
基礎練習を積み重ねることは、未来のあなたが難しい曲に挑戦した時の大きな助けとなります。
焦らず、自分の音と向き合う時間を大切にしてみてください。
是非、次の練習から取り入れてみてくださいね!


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